『ポニョ』を観て衝撃を受けて以来ジブリブームです。今一番行きたい場所は、三鷹のジブリ美術館。今一番欲しいものは、ポニョのパペット。
そんな中、鈴木敏夫の『仕事道楽』という本を手にとりました。
宮崎駿、高畑勲(『火垂るの墓』などの監督)ら日本のアニメ界を代表する映画監督たちの仕事現場の話が、著者を通してみずみずしく語られています。
色んな読み方ができる本だと思いますが、個人的には鈴木敏夫的立場の人=つくる人をサポートする立場の人(身近な例としてはベンチャーキャピタリスト、コンサルタント、インキュベーションの人、等々。自分も含めて。)にとって、とても参考になることがたくさん書いてあるなあと思いました。
ぼくの場合は出版社出身ということも関係しているけれど、編集者型のプロデューサーですね。編集者型のプロデューサーは何かといえば、一人の作家に作品を作ってもらうこと。これがいちばん大きな仕事ですね。それを行うには作家との相性もあるけれど、作家が何かを作ろうとしたときに最初の読者になること。この姿勢がもっとも重要なんです。では、最初の読者になるためにすることは何か。ポイントとなるのは、作家が何か言ってきたときに相槌をどう打つか。(16p)
あとで、高畑さんに聞いたことがあります。「プロデューサーでいちばん大事なことは何ですか?」高畑さんの答えは明快でした。「それは簡単です。監督の味方になることです」。(43p)
もっというと、まわりをホッとさせる人も必要なんです。ここに好例がある。『ポニョ』で主題歌を歌ってもらった博報堂DYメディアパートナーズの藤巻直哉さんです。(中略)ぼくは山田太一のドラマが好きなんですけど、それは必ずどうしようもない登場人物が出てくるからです。それは不思議な存在感のある人でもある。藤巻さんはまさにそういう人。(178p)
プロデューサーという仕事も、日本の場合、欧米のそれとは大きく意味合いが違う。欧米の場合、プロデューサー主導で作品が作られることが多い。映画監督は、プロデューサーに雇われる一雇用者に過ぎない。一方、日本では、プロデューサーは監督との雑談のなかで企画を立てて、監督を中心に映画を作る。
それを裏付けるべく、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」にぼくが出演したとき、ぼくに関して、宮崎駿がこんなコメントを寄せている。—-仕事をさせていないふりをして、仕事をさせる。あおっていないふりをして、あおっている。(210p)
鈴木敏夫のPodcast「ジブリ汗まみれ」も大変おすすめです!